エコール

わたしはそのテの趣味は全くないですが、ルシール・アザリロヴィック監督「エコール」見る。原題は「イノセンス」らしいですが。……これ傑作! ひとことで言えばエロティック&グロテスクな映画です。というと「恐怖奇形人間」と同じカテゴリになってしまいますが、方向性が少し違うのでご安心(?)ください。


……棺桶に詰められた幼女が外へ出てみると、そこは美しい森に囲まれた女子ばかりの「寮」であった。彼女らはバレエと生物の教育を受けさせられ、また、森を囲む壁を越えたり、ボートに乗るなどして外への脱出を計ると罰せられる……って、設定だけ書くとまるで「プリズナーNo.6」ではないか! そう、宇宙人や光線銃のようなSFガジェットは一切出てきませんが(ひどい認識ですみません)、映像やストーリーはきわめてSFライクです。いやファンタジーかな? いずれにしても、絵もお話も美しい。わたしの好きなアルメニア映画「アヴェティック」も同じですが。
しかし、大勢の幼女のはだかがあからさまに出てきますが、これってよくキリスト教圏で公開できたなあ。


お話の完成度はちょっと……かもしれない。途中からヘンな方向へ枝分かれするのが気になりますが、これは好みの問題かしら。でもいまんとこ今年見た映画の中では五指に入れたいですね。


この作品がロリかどうかはともかく、ヴィスコンティの「山猫」や、イングマール・ベルイマンの「ファニーとアレクサンデル」みたいに、ワンショットごとすべてが一幅の名画、絵画のような完成度。是非ご覧ください。……キャラ全部が美少女、美幼女とはいかないのが難しいところではありますが(^^)。


美幼女っていえば、アナ・トレント主演の「ミツバチのささやき」みたいに定価以下での入手が困難になったりするから、芸術映画って、いまのうちDVD買っておいたほうがいいのかなあ。ふう。「ファニーとアレクサンデル」も廃盤みたいだし。「カオス・シチリア物語」は、買って安心して未見です(^^;。「まぼろしの市街戦」や「狩人の夜」も。
↓参考にさせていただいた日記 伊藤計劃:第弐位相
http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20061104

エコール [DVD]

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