ゴヤ大賞2004<旧作部門>

ゴヤ大賞2004<旧作部門>が決定いたしました。ゴヤが2004年中に見たもの聴いたもので、2003年以前に発表されたものからの私的なベスト。順位はアバウトです。感想はチビチビ書き足すかもしれません。

  1. 『24』-TWENTY FOUR-シーズン1(海外テレビドラマ)
  2. キーリ(小説)
  3. マルドゥック・スクランブル(小説)
  4. ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 スペシャル・エクステンデッド・エディション(映画)
  5. ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション(映画)
  6. ブラックホーク・ダウン(映画)
  7. 江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(映画)
  8. 攻殻S.A.C.(TVアニメ)
  9. 伊集院光・日曜日の秘密基地(ラジオ・バラエティ番組)★2005年も継続中★
  10. 宇宙のステルヴィア(TVアニメ)
  11. トッポ・ジージョのボタン戦争(映画)
  12. 自動的だよ! ブギーさん(小説)
  13. リベリオンガン=カタ
  14. アンダーワールド(映画)
  15. バイオハザード(映画)
  16. 江戸川乱歩の陰獣(映画)

「自動的だよ! ブギーさん」(電撃hp Vol.25所収の短篇)はネットをまわった限りでは、古橋秀之? が書いているらしいのですが、それはともかくとして「ドクロちゃん」と「ブギーポップ」という、いっけんかけ離れて見える作品にも根幹の部分に共通したものがある、ということをパロディのかたちであぶり出した、娯楽性と批評性とを兼ね備えた傑作。マーわたしが勝手にそう思ってるだけですが(^^)。
アンダーワールド」はケイト・ベッキンセールの美貌につきますね(^^)。
ロード・オブ・ザ・リング」はリバイバルというか、年頭にやってたエクステ劇場公開のとき、ようやっと見ました。「ディレクターズ・カットに傑作なし」と堅く信じていましたが、このエクステ見ちゃうと、劇場公開バージョンの短いものを見るのがちょっとつらく感じます。二本ともすばらしかったです。ニュージーランドに行きたいです。
『24』-TWENTY FOUR-シーズン1はいちおうシーズン2と分けました。伊集院光や、コサキンのおふたりの熱いトークを聴いたとき、すぐに見ればよかったよ……。おれのばか! 2004年の年明けにようやっと第一話を見て、ドッギャーン! となったものの、結局見終わったのは時間もあきまくって2004年も年末……。おれのばか!
江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」。カルト映画に傑作なし、の法則はこれにもあてはまるのですが(^^)、でもすっげ楽しかった。いろんな意味での名ゼリフにげたげた笑ってしまいました。豪雨の夜、池袋にある新文芸座の劇場内はドッカンドッカン受けてました。針が振り切れてパネルがパーンと割れて針どころか文字盤までもがピーンとすっ飛んでバネがボヨヨーンとはみだしています。そういう映画。←ひどい文章ですみません 冒頭からいきなりアレなシーンなので、劇場でしか見られないのが残念。でもけっこう上映される機会が多いらしいので、ぜひご覧ください。
江戸川乱歩の陰獣」は単に「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」と併映だったから、という理由で見たのですが、これがとてもおもしろい。やっぱりヘンテコなところはありますが(^^)。
リベリオン」は、みんなが頭の中でモヤモヤ考えている、こーゆー武術があればいいのになー、というイメージを明確にし、それにガン=カタというミョーなセンスの名前を付けたことが偉大です。映画のデキはちょっとアレだけど、針が振り切れているからいいのです。ほんとはガン=カタ使いどうしの非情な闘い、みたいな見せ場の多いシンプルな映画にすりゃアいいものを、ひとの感情の発露や文化への傾倒を抑圧する警察国家を転覆せしめる、とか、ガン=カタという魅力的な題材とは無縁のよけいなテーマを入れたので映画じたいがエンタテインメントとしては転覆してます。マーおもしろいからいいんですが。
マルドゥック・スクランブル」は、これも2004年になって読んだのがいかん。もっと早く読めば良かった……。激しく後悔しています。ほんとはこれが問答無用のベストワン。2003年末の「週刊ブックレビュー」で、北上次郎関口苑生(せきぐちえんせい) が選ぶ「あなたを眠らせないミステリー」では、作品が「週刊ブックレビューズ」という野球チームに見立てられていましたが(ネーミングのセンスはさておき)、並み居る強打者をおしのけ、「四番打者」にみごと選出されていました。小説の魅力は、批評家が批評しやすい筋や構成、アイディア、キャラクター・メイキングが一番なのではなく、誰にも言語化できないサムシングだったり「かがやき」だったりするわけです。「マルドゥック・スクランブル」を読んで、あらためてそう思います。最終巻のあとがきは、いっけん書きすぎに思えるけど、著者には自慢する権利があります。続編とされる「マルドゥック・ヴェロシティ」がどうやって前作を越えるおもしろさを追求しているのかが楽しみです。
壁井ユカコ「キーリ」。トリッキーな展開に舌を巻いたり、感動して泣いてしまったり。すばらしいです。