ブラックなブラックジャック

新作の「ブラックジャック」番組宣伝を見ました。いきなり流血するものと、スチュワーデスのもの。
まじめなかたは脱力するかもしれませんが、手塚治虫先生は自主制作のアニメのみならず、商業まんがのワク内においても実験的作品を描き続けたひとです。また、「きりひと賛歌」みたいなド・シリアスな作品においても、コミック・リリーフを入れずにおれない、お茶目さんな作家です。まあ手塚のギャグ・センスが優れているかどうかは後世の批評家に判断をゆだねますが(^^)。いずれにせよ、けっこう手塚の本質に迫るCMかな、と思いました。ギャグ・センスじたいは、? という感じですが。
手塚治虫は「ライオン・ブックス」のような作品群を読むと、また印象が違ってくる作家です。現在までの漫画史において最も有名で、なおかつ最も特殊な部類に入る漫画家なのです。
たとえばポピュラー音楽でいうと、ザ・ビートルズはとても有名ですが、バンドとしてはかなり特異ですよね。商業主義に背を向けた実験作が多くあるし、全員が作曲もボーカルもできるし。わたしザ・ビートルズで洋楽に目覚めてから、レッド・ツェッペリンを聴いてアレと思ったのです。……ぜんぶの曲をひとりで歌ってる……。なぜ?