「江戸川乱歩の『陰獣』」

あおい輝彦主演。これもまったく予備知識無し。最初は見る予定ではなかったのですが、見て良かった! しかしカルト映画ファンは熱心ですね。わたしと同じで主に「恐怖奇形人間」がおめあてだったのかもしれませんが、豪雨を避けて雨宿りしてから行ったら、もうずいぶんと並んでいました。いかにもマスコミふうのひともいましたが、女性客ふくめ、多くは若いひとでした。
お話の構成が良く、原作がうまく換骨奪胎されており、演出と役者さんの演技とに凄みがあって、あっというまに引きこまれてしまいました。たとえば囲碁のシーンとか……直截的な表現がないのにエロい! 女って怖い!(^^) ちょっとヘンテコなところもあって、思わず笑ってしまいましたが(^^)。この映画はビデオ販売されているので、比較的簡単に見られると思います。大衆映画って、米国も本邦も、映像を加工するテクノロジーは進歩してますけど、構成や演出といったファンダメンタルの部分は衰退してますね。一部のひとはがんばってますけど。
「陰獣」っていえば、何年か前、SMAP稲垣吾郎メンバーが明智小五郎役で出ていた単発テレビドラマがとても良かったです。センス・オブ・ヒューモアも豊かな佐藤嗣麻子演出が冴える! こちらは、主人公が明智小五郎に変わっていること以外はかなり原作に忠実でしたが、モエギコさんと言ったかな、小五郎のそばに「真の名探偵」がいたりして、なかなかに妙味がありました。録画を保存しとけば良かったよ……○| ̄|_。