恐ろしい真実

みなさん、わたしは恐ろしい真実に気づいてしまいました。このようなかたちで公表すれば、複数の組織がわたしの自由を奪おうとするかもしれません。しかし、わたしはみなさんのため、社会のために勇気を振りしぼって、お伝えします。
世界の中心で、愛をさけぶ」という本があります。 発行は2001年4月です。タイトルにご注目ください。「世界」はワールド、「中心」はセンターです。「愛」をローマ字にしてみましょう。「A」と「I」です。「A」はアフガニスタン、「I」はイラクを指しています。「さけぶ」をまたローマ字にすると……sakebu。これはshake bu.……シェイク・ビルディングの略です。ああ、なんということでしょう、作者は、恐ろしい予言を、小説のかたちでわれわれに知らせていたのです! この真実をひろく世に知らしめるため、ベストセラーにしたのです! 表紙の写真が動かぬ証拠です……雲に開いた穴は、ふたつのビルディングが潰えたあとの、空間を表しているのです! 
ドンドン(ドアを激しく叩く音)。あっ! ドバン(カケヤでドアを破った音)。何をするっ! 放せ! やめないかっ! クロロフォルムをかがせるのはたいへんに危険な行為で、映画のようにうまく気を失うわけでは……むぐ……。