KT

録画したままだった阪本順治監督「KT」の感想。いわゆる「金大中事件」に材をとったサスペンス映画。おもしろかった! ある優秀なクリエイターのかたにお薦めされていなかったら、見ないまま消去していたかもしれません。「なんか地味な映画だなあ」という印象しか抱いていなかったので。偏った予断をもってはいけないですね
確かに地味ではあるけど、自衛隊が深くかかわっていた、という視点がおもしろい。そうか、「金大中事件」、三島由紀夫の事件から、さして年数が経っていないときに起きたんですね。ちょっと時間が長い映画だけど、ひきこまれていっきに見ちゃった。見る前に抱いていたイメージとずいぶんちがう内容。もっとずうーっと最後まで淡々とした、陰鬱なお話と演出かと思っていたけど、けっこうエキサイティングなところもある。……しかし、あのラストはどう解釈すればよいのかしら。ひとによって違う見かたができる表現、とわたしは信じたい。