バタフライ・エフェクト

バタフライ・エフェクト」を見てきました。主人公は、断片的に記憶を失う症状に悩まされるうち、あるものを用いて時間を遡航し、過去を改変できる能力に気づく。主人公はその能力で初恋の女性を不幸な境遇から救おうとする。しかし、主人公にはわずかな改変に思えたことであっても、現在をよりくするために行動するたび、予想外の状況を生み出してしまうのだった。初恋の女性を救うことができるのか?
すっごくおもしろかった。二時間弱、あっという間に過ぎる。よくある話じゃん、とは思わないでくださいね。趣向の凝らしかたと人物造形がうまいです。まだ見てないけど「戦国自衛隊1549」のダークサイド?(^^) 同じように「過去の改変」を題材にしても、これほどに違うお話が展開できるんだな、と思いました。牽強附会だけど「『最終兵器彼女』と『イリヤの空 UFOの夏』は似ている」なんていって作品の表層だけにとらわれるひとはこの映画を見るべし。

能力の行使にあたっては一定のルールを遵守しなければならず、それがサスペンスを招く、という非常におはなしのつくりのうまい映画。配された人物も、小道具も無駄がない。うますぎて感動するより感心してしまいました(^^)。
まごうことなきラブ・ストーリーなんだけど、苛烈な暴力描写があるし、さらに設定にハードなものがあるので、デート・ムービーにはならないかも。事前に心構えをしたほうがよいかもしれません。最初に設定を見たときは、てっきり「恋はデジャ・ブ」みたいなコメディだと思ってしまいました。まあギャグとスレスレの描写もありますけど。
劇中にしめされている、あるキーワードは、決して無効にはなっていない、と思いたいのはわたしの頭の中身がコドモだからでしょう。

すっごくお話が良くできていてスキがない、とは思うものの、手放しで褒める気にはなれないです。社会的な問題を主軸のひとつに据えるのなら、もっとストーリー全体に関わるようにしてほしかった。でも、気になるのはほんとうにそこだけ。見終わって冷静になるとあちこちにアレ……? なところがあるような気がしてきますが、ほんとに無駄がないです。