ハイテク米軍の誤算

録画したドキュメンタリー「ハイテク米軍の誤算 イラク戦争」(NHK衛星1)見る。てっきり国外のものかと思ったら、米国内でつくられたんですねこれ。イラク戦争、少なくともその後の占領のやりかたに関して、かなり批判的な内容。やっぱ戦争のことはスーツを着てネクタイ締めているひとたちにはわからない、という趣旨。戦争に限らず、国家を運営するひとたちが希望的観測に基づいて行動するとたいへんなことになりますね。
批評的な部分は別とすると、ストライカー装甲車はじめ、米国の兵士さえどびっくりしたという新型の親子爆弾など、戦術レベルの技術がわたしのような軍事音痴にもわかりやすくあれこれと紹介されていて、とてもおもしろかったです。保存しました。
そういやほとんど兵器見本市だった航空宇宙展、わたしの心の師匠が取材で来ていたそうで、わたしとは会場でニアミスしていたことが発覚。奇遇……でもないか。
戦争と言えば、軍事音痴のわたしが座右の書としているのがジェイムズ・F・ ダニガン「新・ 戦争のテクノロジー」と「戦争回避のテクノロジー」との2冊。冷戦終結前、1980年代に出版された本ですが、内容はべつだん古びたとも思いません。これ読んで、専門家は(旧)ユーゴスラビアが内戦になることを予見していたんだな、とどびっくりしました。
未来予測はともかく、この本を読んでからこっち、わたしにとっての「戦争」の定義がかわりました。たとえば、国家が不当に人民を弾圧しつづけている、朝鮮民主主義人民共和国の現状は、ワタクシ基準ではじゅうぶんに戦争といえます。法律にのっとって行われる国家間の戦争だけが戦争ではないのである。
邦題に「戦争回避」なんてついてるけど、著者はべつだん反戦主義者ではないし、それどころかむしろ戦争の技術を教える側の立場ですが、この本の魅力や価値がそれにより減じるわけではありません。
報道ステーション見てたら、あらここでもストライカー旅団が。自衛隊訓練in米国、という取材。在日米軍司令官が戦争映画のキャラさながらに葉巻をスパスパやってたりして、おもしろかったです。

新・戦争のテクノロジー

新・戦争のテクノロジー

戦争回避のテクノロジー

戦争回避のテクノロジー