ドクホンにあらず

よけいなお世話をあえて。「ライトノベル完全読本」の「ライトノベル書評宣言 まえがきにかえて」に、「文壇」という言葉があります。「文壇」と「文壇バー」とでは意味が違いますよね。「文壇」を辞書でひいてみると、そんなに深ーい意味のない言葉でした。小説業界内、出版業界内、くらいのビジネスライクな意味合い、と受けとるのが良いのでは?
あと同じ文中に、””でくくられた「”ジャンクフード”」という言葉がありますが、これも英和辞典をひくと「(フライドポテトのようなカロリーの高い)栄養価の低い食品;まずい即製立食い食品」とあります。わたしの勝手な解釈ですが、「ライトノベル書評宣言 まえがきにかえて」の筆者が”ジャンクフード”とくくったのは、マクドナルドやモスバーガーといったファストフード一般を指すのではなく、個人の味の好みをわきに置いて、本来のマイナスな意味あいを強調するため、と思います。ただライトノベルを語る際には、たとえとしてジャンクフードは適当な語句ではない、とわたしもちょこっと思います。
もひとつよけいなお世話。「ライトノベル完全読本」、この「はてなダイアリー」のキーワード説明では、「ふりがな:らいとのべるかんぜんどくほん」になってますけど、ホントは「とくほん」です。ドクホンにあらず。よしなに。
例えばおかゆまさき。「びんかんサラリーマン」なんてキャラが出てくるような、一見はおポンチに感じられる小説を書いてらっしゃるケド、「今週のおかゆ」拝読すると、高価な「日本語大シソーラス辞典」を脇に置いて執筆しておられる。わたしも欲しい、いえ知人の水樹剣正もほしがっています。どんな本だろう。豪壮な革装で、錠前とかついてるのかしら。あ、それじゃ使いづらいか(^^)。
プロであれアマであれ、じぶんが小説の熱愛者、と自覚を持ってなんらかの文章をものするひと、批評するひとは、辞書を手元に置くべきです。ネットでサっと調べるのも良いですが、辞書をめくって早く正確にひくのもなかなかに快感です。
撲殺天使ドクロちゃん」だって、ちゃあんとエヴァーグリーンな、りっぱな骨格を備えた小説なんです。「(受け手に)気づかせずに気づかせる」コトにみごとに成功している小説です。文章もイイ! そのへんよしなに。ライトノベルだからって、バーっと読み飛ばして読んだつもりになって、イイ気でウェブで批評しちゃダメです。
……そういう水樹剣正も「あいや、待たれい」は正しい表記か文法か、なんてあんま調べずに書きとばしましたケド。古人曰く、人のマリみて我が振り直せ。自重じちょう。