「電脳コイル」#2「コイル電脳探偵局」

電脳コイル」#2「コイル電脳探偵局」見る。正統的ミステリらしいサブタイトルですね。良い意味でNHK教育っぽい。今度はようやっと、ちゃんと桑島法子を認識できました(^^)。すぐにわかんなかったから、これではファンを返上せねばなりませんね。今回も作画が凄い。シビれました。うひー。ジェットコースターなんかに乗ったときの浮遊感に近いものを感じました。


このアニメのおもしろいところはなんといってもまず眼鏡の表現。省略の仕方が大胆。顔に装着しているときはたいへんに思い切って線が少なく描かれていて、一方ではバスルームのシーンみたいに画面の手前にナメてるアップのときは部品がディテールまでリアルに描き込まれる、という区分なのかしら。ただ、キョウコがトイレから出てくるとき、眼鏡を頭の上に上げている状態(赤いタリーランプ? が点滅してるのが細かい)ではテンプルがしっかり描かれてますね。
眼鏡ってまんがでもアニメでも、大衆芸能美術だといかに省略して描くかが常に問題ですよね。リアルにしすぎると横顔を描く際に、テンプル(つる)の部分がちょうど眼をさえぎってうるさく見えるし。レンズはきっちり描いていてもテンプルと先セルは思い切って描かない漫画家もいますよね。「金網越しの人物」なんかと同様に、作家、アニメーター諸氏の悩みどころでしょうねきっと。
このアニメでは眼鏡そのものが、おそらくは「自己と他者との境界線」or「現実とファンタジー」という主題と、「電脳空間」という題材とを一致させるアイテムであろうから、かなり神経を使ってデザインされているんでしょうね。……しかし、寝るときも眼鏡かけっぱなしなのかヤサコ。あー語りたくなることがいっぱいあるアニメだ。うれしい(^^)。


フミエが解説する電脳ガジェットの数々に涙が出そう。ネーミングもいちいちニクい。あとそれと、「メガばあ」なる怪人物の操る機械が泣かせる。ローラーのあたりなんか、むかしの洗濯機そのものではないか。電脳と民俗学、そしてレトロスペクティブはことほどさように親和性が高いということか。メタバグだっけか、宝石のようなシナモノをコネる表現にたまらなく官能を感じる。あんなガジェットがほんとにあったらどんなに楽しいだろう。ちょっとコワいけど。こーゆーアニメを見られるこどもがうらやましいよ。


でもさあ、ヤサコメガばあの孫、と知ったフミエがその奇遇に驚く描写が無かったですよね? わたしがなにか勘違い&思い違いをしているのかしら? ともかくますます傑作の予感。ワクワク。